相続が発生したらはじめにするべき相続人調査 その方法や理由
「相続が発生したらはじめにすることは何だろう?」
「相続人ってどうやって調べるの?」
いつか起こると分かってたから自分なりに準備をしていた相続。
でも、いざ相続が開始したら何から手を付ければイイか分からなかった、、、
と感じている方が多いじゃないでしょうか?
そこでこちらでは、相続が開始したらまずはじめにするべき相続人の調査やその必要性をご紹介します。
相続人の調査・確定とは
相続人の調査・確定とは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集め、誰が相続人であるか判断する作業です。相続人の調査をしないで思い込みで相続人を判断してしまうと、その後の遺産分割協議が無効になったり、思わぬトラブルが発生するかもしれません。
まずは、以下の相続人調査・確定の方法に従って相続人が誰なのか明確にしましょう。
相続人調査・確定の方法
ここでは誰が相続人であるのかを判断するための基本的な流れを5つに分けて解説します。
1 家族から大まかな聞き取りをする
まずは、いきなり役所で戸籍を取る前に、家族から亡くなった方の家族関係を聞きましょう。
自分の家族のことなので、聞き取りをしなくても把握している人は多いと思いますが、相続人の大体の人数、戸籍がどの地域にありそうか、また今後の遺産調査のヒントが出てくるかもしれません。
2 最新の戸籍(亡くなったことが分かる戸籍)から集める
大まかな相続関係が分かったら、次にすることは役所に行き戸籍を集める事です。このとき最初に集めるのは、最新の戸籍(亡くなったことが分かる戸籍)です。この最新の戸籍は全部事項証明書(戸籍謄本)と言われ、亡くなった方の最終の本籍地で取ることが出来ます。
もし本籍地が分からない場合は「本籍地入りの住民票」を取れば、住民票に本籍地が記載されて発行されます。本籍地入りの住民票は、亡くなった方が最後に住んでいた役所で取れます。
3 全部事項証明書(戸籍謄本)をヒントに過去の戸籍を取る
はじめに取得に行った役所で出生から死亡までの戸籍がすべて集まることはほぼないでしょう。では集まらなかったらどうするか!?それは全部事項証明書(戸籍謄本)をヒントに過去の戸籍にさかのぼって、集める作業をするのです。
戸籍は常に同じ本籍地にあるとは限りません。最近の戸籍制度では、生まれたときは親の戸籍に入っていますが、結婚すれば親の戸籍からはずれ自分の戸籍を作ります。また、引っ越しの際に転籍(本籍地を移すこと。住民票を移すのとは違う)すれば、転籍ごとに戸籍が作られます。
そのため、戸籍の通数や戸籍がある場所は人それぞれです。日本各地に戸籍があったとしてもそのすべてを集める必要があります。
4 戸籍の内容をチェック
出生から死亡までの戸籍が揃った場合、次にすることは、「不足している戸籍はないか」、「相続人は誰であるのか」をチェックする作業です。この2つのチェックは同時進行で行うのではなく1つ1つ行います。
まずは不足している戸籍がないかを確認し、それから相続人は誰であるかを確認するのです。同時に行うと間違える可能性が増えるので順番ですることをオススメします。
5 相続関係説明図を作る
戸籍がすべて揃い、チェックも終わり相続人が確定したら、最後に相続関係説明図を作ります。相続関係説明図は、相続関係を図式化した書類で、この書類を見れば誰が相続人であるのかすぐに判断できる書類です。
図にすることで関係が整理され、より理解しやすくなるため作ることをオススメします。相続関係説明図の例は下記のようになります。
相続人調査・確定が必要な理由
相続人調査の基本的な流れの次は、その相続人調査・確定が必要な代表的な理由を2つご説明します
理由1 相続手続きの二度手間、三度手間を避ける
相続手続きをするには、原則として相続人全員の協力が必要です。万が一、1人でも相続人が欠けていたら、その遺産分割協議は無効になります。遺産分割協議が無効になってしまったら、相続人全員で遺産分割協議をやり直す必要があり、とても手間が掛かります。
そのような二度手間、三度手間を避けるために、相続人の調査をして相続人を確定させる必要があるのです。
理由2 誰と遺産について話し合うか決めるため
遺産について話すとき、相続人以外の親族や知り合いがアドバイスをしてきたり、意見を言ってきたりすることがあります。しかし遺産について話さなければいけない相手はあくまでも相続人です。
中には、相続人以外の親族や知り合いの意見を聞きすぎたために、遺産分割協議がうまくいかないこともあります。そうならないためにも、まずは相続人を確定させて自分が誰と一番話さなければいけないのかを明確にする必要があるのです。
逆に相続人が確定すれば、相続人以外の人は相続問題で頭を悩ませる必要がないし、協力する必要もなくなります。
まとめ
相続人の調査は、相続が発生したら必要になる手続きの一つです。きちんと相続人を調査し、確定することが手間を増やさないでスムーズに相続手続きを進めるための第一歩となります。少し面倒に思うかもしれませんが、是非相続人の調査をしましょう。