株の相続手続きの流れ【相続人の証券口座へ移すまでを解説】
「株ってどうやって相続するんだろう?」
昔のように株券が発行されないので、目に見えない株。買った時よりも値上がりしていて、結構な金額になっているものもありますよね。そんなときは早く相続して、高値のうちに売りたいと思う方も多いと思います。
この記事では、株を相続して現金化するまでの流れをご案内します。
株の相続手続きの流れ
株の相続手続の流れは、大きく分けて以下の8つのステップに分かれます。
ステップ1 書類の準備
証券会社から一定の頻度で送られてくる、取引残高報告書をお手元に用意します。
下記に取引残高報告書の例を掲載します。
ステップ2 証券会社に亡くなったことを伝える
証券会社に亡くなったことを伝える必要があります。担当の支店に電話をし、担当者が電話に出たら「相続が発生したこと」「株の相続手続きがしたいこと」を伝えます。
また、残高証明書が必要な場合は、そのことも伝えましょう。残高証明書は必ずしも必要になるものではありませんが、株の金額が正確に知る必要があるときや相続税の試算がしたいときに請求します。
残高証明書が必要なことを伝えると、残高証明書の請求書も一緒に送って来てくれます。
ステップ3 証券会社から書類を受け取る
証券会社に相続が発生したことを伝えると、証券会社から相続手続依頼書や相続手続きの案内書が送られてきます。
ステップ4 必要書類を集める
相続手続きの案内書には、株の相続手続きをするのにどのような書類が必要かが記載されています。
ほとんどの方に必要になるのが、戸籍謄本、遺産分割協議書、印鑑証明書です。戸籍謄本は、亡くなった方の出生から死亡までのものを日本各地から取り寄せていきます。遺産分割協議書には、遺産を「誰が」「何を」「どの割合で」相続するか記載します。そして、相続人全員が実印で押印することになります。
ステップ5 相続手続依頼書の記入
証券会社から受け取った相続手続依頼書には、亡くなった方の氏名や住所、相続する株、株を移す相続人の口座番号などを記入します。そして、相続人全員が相続関係届出書にも署名し、実印での押印をします。
証券口座を持っていない場合
あなたが証券口座を持っていない場合に必要な手続きです。証券口座を持っていない場合、証券口座を新しく開設する必要があります。その際に必要な書類は以下の通りです。
- 口座開設申込書
- マイナンバー(個人番号)確認書類の写し
- 本人確認書類の写し
ステップ6 証券会社へ書類の提出
相続手続依頼書の記入が終わり、必要な書類がすべて揃ったら、返信用封筒が同封されていたと思うので、そちらにすべての書類を入れて送付してください。
ステップ7 株の移行
書類の提出後は、書類に不備が無ければ、以下のどちらかの手続きで相続人の証券口座に移されます。
証券口座を持っていた時
株があなた名義の証券口座に移ります。
新しく証券口座を開設した時
新しく口座を開設するので、まず口座開設にあたって証券会社の担当者から電話等で説明があります。そして、それが終わると新しい証券口座が開設され、証券会社で処理をして、株があなた名義の証券口座に移ります。
ステップ8 売却益の振り分け
証券口座に株が移されましたら、通常の株取引きをします。株が売却できますと、登録していた銀行口座に売却代金が送金されます。そして、その売却代金を遺産分割協議書で決めた割合で、各相続人に振り分ける作業をします。遺産の分配は、必ず遺産分割協議書のとおりに行ってください。
まとめ
株の相続手続きは、亡くなった方の証券口座にある株を相続人の証券口座へ移すまでが相続手続きです。つまり、その後、株をそのまま保有するか、売却してお金にするかは、相続人独自の判断なのです。
預金のように相続手続きをすると、亡くなった方の口座が解約され、その口座に入っていた預金が、相続人の口座に振り込まれるわけではありません。もし相続人が証券口座を持っていなければ、相続手続きと同時に口座を開設する必要もあります。