相続は気持ちの面、そして手続きの面でも大変なことばかりです。手続きの面だけでも皆さまのサポート出来るように、相続手続きの全体的な流れを記載します。
内容は、お葬式などの法要から役所への届出、相続に関する名義変更、そして税金関係までをまとめたものです。では早速、相続が発生してからの全体的な流れを見ていきましょう。
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相続が発生したらスグに手続きするもの
通夜
通夜とは私的な葬別の場です。亡くなった当日または翌日に行われます。
葬儀式、告別式
いわゆる「お葬式」のことです。通夜が明けた翌日の日中に行われます。
相続開始から7日以内に行う手続き
死亡届の提出
死亡届とは人が亡くなったことを市区町村に知らせる届出のことです。実際に市区町村に持参する人は葬儀会社であることが多いです。
火葬(埋葬)許可申請書の提出
火葬・埋葬許可申請書とは火葬又は埋葬するのに必要な許可をもらう届け出です。
死亡届と同時に火葬・埋葬許可申請書を提出することにより、許可証がもらえる市区町村と、死亡届のみ提出すれば許可証がもらえる市区町村があります。
初七日(しょなのか)
亡くなってから七日目に故人の冥福を祈って行われる法要のことです。最近ではほとんどの場合、葬儀と同じ日に行われます。
香典返し
法要が無事に終わったという報告を兼ねたお礼のことです。香典返しは「四十九日を過ぎた後」とされていますが、最近では葬儀当日に渡すこともあります。
ポイント
- 死亡届と許可申請は葬儀会社がほぼやってくれる
- 初七日や香典返しの時期は地域によって若干異なる
相続開始から14日以内に行う手続き
国民年金受給停止の手続
国民年金を受けている方が亡くなった場合に年金受給を止めるための手続きです。年金受給権者死亡届(報告書)の提出をします。
世帯主変更届の提出
世帯主の方が亡くなられた場合に、新しく世帯主を設定する手続きです。二人世帯だった場合や世帯主になれる方がお一人しかいない場合は、自動的に世帯主が決まりますので、届出の必要はありません。
国民健康保険証の資格喪失届
国民健康保険に加入していた場合の喪失手続きです。死亡届を提出すると自動で喪失する場合もあります。
国民健康保険の加入手続き
国民健康保険に加入していた世帯主が死亡により変更する場合の保険証の書換手続きです。
後期高齢者医療資格喪失届
75歳以上の人(65歳~74歳で障害認定を受けている人を含む)が亡くなった場合の喪失手続きです。死亡届を提出すると自動で喪失する場合もあります。
介護保険資格喪失届
介護保険に加入していた場合の喪失手続きです。死亡届を提出すると自動で喪失する場合もあります。
児童扶養手当認定請求
児童扶養手当の受給資格及びその額についての認定を受けようとする場合の手続きです。
ポイント
- 亡くなった方の社会保険によって必要な手続きが異なる
- 死亡届を提出すると自動で手続きが完了するものがある
相続開始から49日目に行う手続き
四十九日法要
家族や親族のほか、故人と縁の深かった方々を招いて法要を営みます。この日をもって、「忌明け(きあけ)」となります。
相続開始から1~3ヶ月を目安に行う手続き(法律手続き)
基本的な法律手続きを記載します。
相続人の調査(戸籍等の収集)
相続人の調査は亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集め、誰が相続人であるか判断する作業です。
相続財産の調査
亡くなった方の相続財産(遺産)を調べる作業です。
財産目録の作成
相続財産の調査の結果、判明した相続財産を一覧にした目録を作る作業です。
遺言書の調査・検認
遺言書を残していないか調べ、必要であれば家庭裁判所に検認をしてもらう作業です。
遺産分割協議・協議書の作成
遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)とは、亡くなった方の相続財産(遺産)について「誰が」「何を」「どんな割合で」相続するのかを決める相続人同士による話し合いのことで、その話し合いの結果を書面にする作業です。
相続登記
相続登記(そうぞくとうき)とは、不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の名義を亡くなった方から相続人名義へと変更を行なう作業です。
預貯金の相続手続き
預貯金口座を持っている方が亡くなった場合に、その預貯金を相続人に相続させる作業です。
有価証券の相続手続き
有価証券を持っている方が亡くなった場合に、その有価証券を相続人に相続させる作業です。
ポイント
- 必要になる法律手続きは一人一人異なる
相続開始から1~3ヶ月を目安に行う手続き(日常手続き)
お墓、遺品整理の手続き
亡くなった方の遺品を片づけたり、お墓に納骨する作業です。
生命保険金の請求
相続人が受取人となっている生命保険について保険会社に請求する手続きです。
年金関係の手続き
未支給年金など受給できる年金があるか確認する作業です。
各種公共料金・携帯電話・プロバイダ等の解約・名義変更の手続き
日常生活で利用していたものの解約や名義変更をする手続きです。
ポイント
- 細かな手続きを含めるととても多いので、リストを作ると抜けが無い
相続開始から3ヶ月以内に行う手続き
相続放棄手続
相続放棄(そうぞくほうき)とは、相続人が被相続人から受け継ぐ遺産のすべてを相続しない(放棄する)ことを言います。亡くなった方に多額の借金があり絶対に借金を引き継ぎたくない方や相続に一切関わり合いたくない方は手続きが必要です。
限定承認手続
限定承認(げんていしょうにん)とは、受け継ぐプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ手続きです。とても便利に聞こえますが、手続きはかなり大変で費用も高額になります。
ポイント
- 絶対に相続したくないときは3ヶ月以内に相続放棄をする
- 限定承認をする場合は専門家に相談する
相続開始から4ヶ月以内に行う手続き
準確定申告
準確定申告(じゅんかくていしんこく)とは、被相続人(亡くなった方)が亡くなった年の確定申告を、相続人が代わって申告することです。
準確定申告が必要な代表例
- 個人事業(自営業)を行っていた人
- 給与所得が2000万円を超えている人
- 給与から所得税を源泉徴収をしていなかった人
- 不動産などの資産を売却した人
- 2カ所以上の会社から、給与をもらっていた人
- 医療費として高額な支払いをしていて医療費控除が受けられる人
- 同族会社の役員等で、会社から貸付金利子や賃借料を受取っていた人
ポイント
- 申告が必要か分からないときは税理士や税務署に確認すること
相続開始から10ヶ月以内に行う手続き
相続税の申告
相続税の申告(そうぞくぜいのしんこく)は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内という期限があります。相続税の申告も放置していると、延滞税などが課せられます。
ポイント
- 申告が必要か分からないときは税理士や税務署に確認すること
相続開始から1年目に行う手続き
一周忌
故人が亡くなってから1年後の命日のことです。家族や親族のほか、故人と縁の深かった友人や知人を招いて法要を営みます。
ポイント
- 命日の当日に行うのが理想だが参列者の都合もあり週末に行うことが多い
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