【2020年度版】相続登記の義務化とは?メリット・デメリットを解説

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【2020年度版】相続登記の義務化とは?メリット・デメリットを解説

義務化が検討されている相続登記。

いつから義務化されるのか?なぜ義務化されるのか?など今まさに知りたい最新情報をご紹介します。

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相続登記の義務化の時期

まずは相続登記義務化の時期を押さえておきましょう。

2019年は義務ではない

2019年は相続登記は義務ではありません。しかし、相続登記を放置したときのデメリットはあります。そのデメリットの代表例は下記の7つです。

  • 相続人が増えて遺産分割協議がまとまらない
  • 認知症になり余計な手間や費用が掛かる
  • 相続人の気が変わってしまい遺産分割協議ができなくなる
  • 不動産を売却できない
  • 不動産を担保に融資を受けられない
  • 司法書士の費用が高くなる
  • 将来に争いの火種を残す

相続登記をしないときのデメリットについてもっと詳しく知りたい方は「不動産の相続登記をしないで放置した時の7つのデメリット」に詳しい記事があります。

ただし上記のデメリットはあくまでも、将来のリスクを説明しているにすぎません。そのため、人によっては相続登記をしなくてもデメリットは発生しない方もいます。しかし、相続登記が義務化となれば過料等のペナルティーも検討されることになるため、直接的なデメリットになります。ではいつから相続登記の義務化を検討しているのでしょう?

2020年に義務化される見通し

相続登記は早ければ2020年以降に義務化される見通しです。相続登記が義務化されれば、不動産を相続した人は相続登記をする義務が課されます。

次に相続登記の義務化についてメリットとデメリットをご紹介します。

相続登記義務化のメリット・デメリット

相続登記の義務化と同時に検討されている内容で相続人にとってメリットになるものと、デメリットになるものがあります。

デメリット

過料等が検討されてる

相続登記が義務化されることに伴い、もし相続登記をしなかったときのペナルティーが検討されています。そのペナルティーとは過料です。過料とはお金による制裁の一つです。

2019年時点では相続登記は義務ではありません。しかし法人登記(役員変更登記など)や表題登記(建物の構造の登記など)では、すでに過料等のペナルティーが課されています。相続登記が義務化されたら、それに伴いペナルティーが課されてもおかしくないでしょう。

メリット

相続登記の手続き簡略化か検討されてる

相続登記が進まない理由に、手続きの煩雑さがあります。戸籍の収集や遺産分割協議書の作成、登録免許税の計算、相続登記申請書の作成など慣れないと大変な作業が多くあります。それらの相続登記に必要な手続きを簡略化して、相続登記をしやすくしようと検討しているのです。手続きの簡略化はメリットでしょう。

ただし簡略化はとてもありがたいことですが、今必要になっている書類や手続きは1つ1つ意味があるものです。例えば相続登記の中でもっとも時間が掛かる戸籍の収集は、相続人を証明する作業です。このような重要な作業を簡略化してしまうと、相続人以外が土地を相続してしまう可能性も捨てきれません。そうなると登記の信頼性が損なわれてしまいます。

そのため、簡略化したとしてもかなり限定的な部分になるのではと予想しています。手続きの簡略化によるメリットと登記の信頼性の維持という二つを天秤にかけて検討していることでしょう。

登記所による相続登記が検討されてる

登記所は登記名義人が死亡しても直ちに、その死亡を知ることはできません。相続登記があってはじめて死亡を知ることになるのです。そのため、登記所が他の公共機関から死亡の情報を取得し、放置されている相続登記を登記所が代わりにやるべきか検討しているということです。

所有者からしたら登記所が自動的に相続登記をしてくれれば、とてもラクでメリットになるでしょう。しかし、登記所が勝手に所有者を決めて相続登記をしてしまうということは、相続人の意思や今誰が住んでいるか、今後の不動産利用などは加味しないことになるでしょう。

登記所による相続登記をすると、相続登記未了の土地については減りますが、今後の不動産活用でデメリットを受ける可能性があります。

相続登記の義務化によってどんな影響があるか

相続登記が義務化されたとき、どのような影響があるかを相続登記を放置して1年未満の人と1年以上放置している人、そしてその両者に共通して影響することの3つに分けてご案内します。

相続登記を放置して1年未満の人

相続登記を放置して1年未満の方は、義務化によってまだ大きな影響はないでしょう。しかし下記の1点だけは注意しておきましょう。

相続登記の期限に気を付ける

相続登記の義務化により、相続登記をしなければいけない期限が設定される可能性があります。その期限を守らないと過料等のペナルティーが課せられる可能性があります。

相続登記を放置して1年以上の人

1年以上相続登記を放置してしまっている方は、大きく分けると下記の2点が影響するポイントになります。

相続登記するのに多くの時間とお金が掛かる

相続登記をするには、相続人に捺印をしてもらうなどの協力が必要です。相続登記を長年放置してしまっていると、相続人がどこに住んでいるか分からなくなってしまっていることも多いです。その相続人を探すために戸籍を収集したり、家族や親戚に話を聞いたりし、相続人全員と連絡を付ける必要が出てきます。

長年放置された相続関係を戸籍をもとに読み解くには、専門的な知識が必要になり司法書士などに頼めばそれなりに費用が掛かります。また、戸籍の数も相続人に比例して多くなるため、戸籍を収集するだけでも数か月~1年程度掛かることが予想されます。

早めに相続登記をしておけば、すんなり手続きが進んでいたものが、多くの時間とお金が掛かる手続きに変わってしまう影響があります。このように相続登記をするのに時間やお金が費やす影響があるでしょう。

疎遠な相続人と話し合いをしなければいけない

相続登記の義務化によりお金や時間を費やす以外にも精神的に大変な作業が予想されます。それは疎遠な相続人と遺産について話し合いをする作業です。相続登記をする場合、基本的に相続人全員と遺産分割協議をする必要があります。

しかし、身近な親族であってもお金の話は気が引けるのに、疎遠な相続人と遺産について話し合う必要が出てくるのです。このような作業は精神的にもとても大変でしょう。

共通して影響すること

相続登記を放置して1年未満の人と1年以上放置している人のどちらにも影響があるものがあります。それは下記の3つです。

相続人の代表者が相続人の意見をまとめる必要がある

相続登記が義務化されたら、相続人の中から代表者を決めてその代表者が主導しながら相続登記を進めていく必要があるでしょう。相続人全員の意見を聞いてまとめる役割の方がいないと、相続登記が義務化されても手続きが進まないからです。

司法書士に相談する機会が増える

相続登記は自分でもすることができますが、慣れていないと大変です。また相続登記をする前提で必要になる、戸籍の取集や相続人の確定などは専門的な知識を要する場合が多くあります。そのため、司法書士に相談する機会が増えるでしょう。

登記費用を確保しておく必要がある

相続登記の費用は「登録免許税+戸籍などの証明書代+(司法書士費用)」が総額になります。もし自分で相続登記をする場合でも最低限「登録免許税+戸籍などの証明書代」は必要です。

登録免許税は相続登記をする時に国に納める印紙代です。固定資産評価額の0.4%が登録免許税となります。例えば1000万の固定資産評価額だと4万円が登録免許税です。相続登記にはこれらの費用が掛かりますので、相続登記が義務化したらその費用を確保しておく必要があります。

相続登記の費用について詳しく知りたい方は「どの位かかるの?みんなが知りたい相続登記の実費まとめ」に詳しい記事があります。

相続登記の義務化前に準備しておいたほうがいいこと

相続登記の義務化がスタートしたときに、焦らないように下記の準備をしておきましょう。

戸籍を集め相続人を把握しておく

相続登記に必要な戸籍を集めて相続人を把握することからはじめましょう。相続登記に必要な戸籍は使用期限がありません。そのため今から戸籍を集めておいて、義務化になったらその戸籍を使用することができます。

戸籍を集めておけば遺産分割協議をすべき相続人も分かるため、相続登記の義務化後にすぐに相続登記の話ができます。時間の短縮にもなりますので、まずは戸籍を集めることからはじめてみましょう。

戸籍の集め方について詳しく知りたい方は「相続で必要になる戸籍などの書類の集め方」に詳しい記事があります。

相続登記が必要な土地を確認する

亡くなった方がどの土地を所有していたか確認をしておきましょう。特に長年相続登記を放置している場合は、亡くなった方が所有していた土地がすぐには判別できないからです。

相続登記をする土地を確認するには、登記済書(権利証)や市区町村から送られてくる固定資産納税通知書、登記簿、名寄帳などを用意する必要があります。これらの書類も今から用意をしておき、義務化後に使用することもできますので、義務化後にバタバタしないためにも準備しておきましょう。

土地の調べ方について詳しく知りたい方は「遺産の不動産を確実に調査するための3つのステップ」に詳しい記事があります。

相続登記の義務化「前」「後」のどちらで手続きしたほうがいいか

相続登記を義務化「前」にしたほうがいい方と「後」に手続きしてもいい方をまとめてみました。

義務化「前」に手続きしたほうがいい方

相続人の中に高齢者がいる方

相続人の中に高齢者がいる場合は義務化前に相続登記をしておきましょう。相続登記をするには相続人全員の協力が必要です。万が一高齢の相続人が義務化までに亡くなった時は、相続人が増えてしまい余計な費用が発生するかもしれません。

また、認知症になってしまうともっと大変です。認知症の方がいると、そのままでは遺産分割協議をすることができないため、認知症の方のために成年後見人を選任してもらう必要があります。成年後見人の選任には時間も費用も掛かります。

高齢者の方が亡くなったり、認知症を患うリスクを避けるためにも元気なうちに相続登記をしてしまいましょう。

成年後見制度について詳しく知りたい方は「はじめての相続、知っておきたい成年後見の基礎知識」に詳しい記事があります。

遺産分割協議がまとまっている方

遺産分割協議がまとまっている方は義務化前に相続登記をしましょう。遺産分割協議は相続人全員で行わないと無効です。今は相続人全員が話し合いに納得して手続きが進みそうでも、義務化後まで待っているうちに気が変わってしまうかもしれません。

もし相続人の一人でも気が変わって、遺産分割協議に協力してくれなくなれば相続登記ができなくなってしまいます。そのため、遺産分割協議がまとまっているなら今のうちに相続登記をしましょう。

遺産分割協議のスムーズに進めるポイントを知りたい方は「相続で揉めないための遺産分割協議8つのポイント」に詳しい記事があります。

土地を売却したいと考えている方

いつか土地を売却したいと考えている方は、義務化前に相続登記をしましょう。なぜなら、義務化になった後も相続登記が放置されている土地については、登記所による相続登記が検討されていると前述しました。もしこの登記所による相続登記がされるようになれば、登記所は土地を相続する人を勝手には決められないため、法定相続分で相続登記をすることになると思われます。つまり相続人全員の共有となるということです。

もし相続人全員の共有となると自分が土地を売りたいと思っても、他の相続人が反対したら土地を売れなくなります。このように土地の利用価値が制限されるかもしれないのです。そのため土地を売却したいと考えている方は、義務化前に相続登記をしましょう。

義務化「後」に手続きしてもいい方

健康などを理由に相続登記をできない方

「体調が悪くて相続登記どころじゃない」「相続登記の費用が出せない」などの方は今すぐに相続登記をしなくても構いません。しかし早ければ2020年に相続登記が義務化になりますので、義務化になったタイミングは忘れないようにしてください。

相続登記の義務化と同時に相続登記をしない方には過料等のペナルティーを設定するかもしれないからです。なので今はどうしても相続登記ができないという方は義務化になったタイミングだけは忘れないようにしましょう。

相続登記の義務化の理由

多くの方に影響が多い相続登記の義務化ですが、なぜ政府は相続登記の義務化を検討しているのでしょう?その理由は下記の「法制審議会第183回会議配布資料」にその理由がまとめられています。

所有者不明土地問題の解決に向けた民法・不動産登記法の見直し

この資料の内容をまとめると以下のようになります。

所有者不明土地問題を解決する手段

所有者不明土地とは、相続登記が長年行われず登記簿から土地の所有者が分からなかったり、分かっても連絡が付かない土地のことです。通常であれば相続が発生した土地については、相続人名義に相続登記がされ今現在の所有者が確認できます。

しかし、中には相続登記を数十年に渡り放置したことにより登記簿を見ても所有者が分からなくなってしまっているのです。所有者が不明なことで土地の利用が阻害され、特に公共事業や民間取引に大きな障害が発生しています。これらの問題を所有者不明土地問題と言っています。

相続登記の未了土地は中小都市だと26%もある

法務省が平成29年に調査した下記の「不動産登記簿における相続登記未了土地調査について」によると、最後の登記から50年以上経過している土地は大都市で約6.6%、中小都市・中山間地域で約26.6%となっています。かなりの数の土地が相続登記未了になっていることが分かります。

不動産登記簿における相続登記未了土地調査について

所有者の捜索には多大な時間とお金が掛かる

この相続登記が放置された土地を解決しようと思ってもおいそれとは解決できないことが多いです。それは相続登記の放置期間が長ければ長いほど、所有者の捜索に多大な時間とお金が掛かるからです。

例えば、所有者を探す手掛かりは戸籍謄本を辿ることですが、相続人が増えれば膨大な戸籍謄本を取得し読み込む必要が出てきます。また、戸籍を読み解くにも専門的な知識が要求されるので、お金や時間が掛かります。そして相続人が判明したとしても、相続人に内容を説明し理解をしてもらい、手続きをしてもらうためにはまた多大な時間が掛かります。

このように一度所有者不明土地が発生すると時間やお金がネックになり、相続登記未了の土地は解決せずにそのままになってしまうことが多いのです。そこでまずは所有者不明土地を発生することを防ぐために、政府が検討しているのが相続登記の義務化なのです。

まとめ

相続登記の義務化は、相続登記の放置などが原因で所有者が不明になってしまっている土地を増やさないために検討されている政府の方針です。

相続登記の義務化は現在、必要な制度の改正の実現に向けて検討中の段階ですが、最近は新聞やニュースで取り上げられたり、法務省からの情報発信が頻繁になってきています。それらの記事を読むと義務化の流れはかなり高いと思われます。

また最新の情報が入りましたら逐一ご紹介します。

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